更にチームワークを加速させるには?協働関係を作る組織コーチング(共同印刷株式会社様)

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新しい組織開発手法であるシステムコーチング(組織コーチング)を共同印刷様にて実施いたしました。

組織開発というと人事コンサルのような戦略・制度・ビジョン・ミッションの策定等が想起されることが多いですが、リプロキャリアの組織開発では組織を構成するメンバーの関係性・チームワーク・風土という観点から組織の活性化と自走を目指していくのが特徴です。 

「メンバー一人一人が自ら考え、自走する組織にしたい」

KPIのような数値ではなく、組織の要(かなめ)である“人”に目を向けた施策を打ちたい」

リプロキャリアではこのようなご相談を寄せられるお客様に対して、伴走支援型の組織開発コーチングを提供しています。

共同印刷様会社概要

創立 1897(明治30)年6月
事業内容 出版・商業印刷、データプリントサービス、ICカード、生活・産業資材、デジタルコンテンツやネットワーク関連サービス他
売上高 93,363百万円(連結、2023年3月期)
従業員数 1,851名(契約社員含まず。2024229日)

ご依頼をいただいた経緯

コロナ禍を経て、社内の組織風土の醸成・コミュニケーションの活性化について情報収集をしていた共同印刷様。リプロキャリアとの取引は長年続いていたこともあり、リプロキャリアで提供していた組織開発手法・システムコーチング(ORSC®)の情報提供をしたのがきっかけでした。

・組織開発、意識改革、風土醸成などについて他社も調べたが、なかなかピンとくる会社に出会えなかった。トップダウンの戦略ではなくもう少し手触り感のあるボトムアップ型の変化の手法が欲しかった。リプロキャリアから提示した資料の中にあった「組織の感情である関係性、風土、チームワークにアプローチをするシステムコーチング」には、非常に納得感があった。

・社内で展開していく上で、まずは自組織で一度試してみたい。(共同印刷 人事部人材開発課課長代理 臼井様)

このような経緯から、まず人事部人材開発課にて2回のシステムコーチング(ORSC®)を実施することが決定しました。

ワークショップ事前準備:組織の状況を把握し、望ましい未来について見立てる

ご参加いただく人事部人材開発課の皆さんには、事前にインタビューを実施。そこから見えてきたのは、各自が責任をもって仕事をしており、他のメンバーたちとの関係性も良好であるという事でした。

その一方で、メンバーそれぞれの担う仕事が採用・研修といった形で分業化されていたため、お互いに頼り合えるような状況ではないという可能性もみえてきました。このこと自体は以前より漠然とした認識はありましたが、インタビューの中では「休めないよな、と誰しもが思っているのではないか」「本当は課としての発信力やステイタスをもっと上げていきたい」などの声が上がっていき、課として願っている姿や未来が少しづつ立ち上がってきました。

また、その対話の様子を見ながらリプロキャリアとしては「手短な会話やスピード感のある雑談は頻繁に出来ているが(=強み)、立ち止まって互いの様子をじっくりと見て、じっくり話し合うことに時間が取れていないのではないか。また、お互いを尊重するがゆえに踏み込めていない部分がある(=伸びしろ)かもしれない」という見立てを行っていきました。

 そして同時に組織のチームワークの質(=関係性の質)についてのサーベイも実施。そこからも他のスコアと比較して、背景理解・一体感・越境(これまでの枠を超えてビジョンを語り合う)のスコアが低いことが明らかになりました。

改めて考える「自分達で考える理想の組織の状態」

ワークショップ当日は、従事している業務の内容や、それに対する情熱・その業務のどういったところが大変か・どんなサポートを必要としているかについて、それぞれ説明してもらうところからスタート。

人間は言語化しようとすると「上手く言おう」「納得してもらうように説明しなければ」という心理が必ず働きます。そのため体を使ったジェスチャーなどを用いながら、楽しく直観的に「自分はどの様な仕事をしているのか」「同僚はどのような仕事をしているのか」を理解するところから始め、最後に「どのような組織になっていくといいのか」を話し合いました。

では、参加者の皆さんにとってはどの様な状態が理想の組織の状態なのでしょうか?直観的に表現をお願いしたところ、皆さんで立ち上がり、隣の方と手を繋げるか繋げないかくらいの距離をあけて輪になってくださいました。

いつもは手を繋ぐことはせず適度な距離を保っていても、中心に向かって一歩踏み出して輪を縮めさえすれば手を繋げる、緩く繋がっている「ユルつな」の状態です。

自分たちで出した答えだからこそ、組織の未来に活きてくる

また、その状態をイメージした上で、「その状態になる事に関心があるのか」「その状態にむかってどのくらい行動しているか」も言葉ではなく立ち上がって体を動かすワークをしながら考えていきました。

積極的に行動しているという声もあれば、行動したい気持ちはあるけれどもどう行動していいかわからないといった、普段では聞く事の出来なかった、小さな、率直な声も出てきました。

そのような普段は声になっていない声をじっくりとお互いが表明していくこと自体が、更に良いチームワークづくりの胎動となっていきます。

最後に、理想とする関係性を具体的にイメージした上で、皆さんが話し合って決めたのは、そんなチームワークを実現するために定例会を開くということ。 

組織コーチングはメンバー間の関係の質の変化を促すことを目的としているため、ワークショップはあくまで「自分達で納得した答えをだしていくこと」を大切にしています。一方的に教えるティーチングとは異なり、どういった答えを出すかは組織次第。一見遠回りに思われるかもしれませんが、メンバーたち自身が至った結論は、確実にその組織の血肉となるのです。

コーチング実施後のスコアも6.86→7.53へ

短時間のコーチング(2時間×2回)を実施しただけで組織のありようが劇的に変わるわけではありませんが、実施前後で行ったサーベイの結果からは関係の質の変化の兆しが見て取れました。率直さ、一体感、ビジョン共有などの度合いのうち、特により高次の関係性に関わる部分のスコアがコーチング後に上昇していたのです。(平均スコア6.86→7.53

 システムコーチングの特徴は、参加者が当事者意識を持つようになるため長くジワジワと効き、思考や行動、そして最終的には結果の質にまで効果が波及していくことです。組織を変えるには最低でも9か月から13か月の時間がかかると言われています。時間がかかり、また魔法の様に劇的な変化を起こすことは難しいものだからこそ2度の変化(90度の垂直的な変化ではなくほんの少しの変化を目指すこと)を起こすことが大切であるという事を説明しました。

今回の共同印刷様での組織コーチングでも、組織が良い方向に変化していくための2度が確かに芽吹いたという手応えを得ることができました。

【参加者様ご感想】

コミュニケーションをちゃんと取っているつもりだったが、伝え合うということをしっかりできていなかったと気づかされた
互いの状況がわからず助けて欲しくても頼めなかったが、今後は情報共有が容易になることでSOSを出しやすくなりそう
以前は誰かが忙しそうにしていても、何が原因でそんな状況に陥っているのかが理解できず不信感を抱くことも、正直にいうとないわけではなかった。でも定例会が始まった今は相手の状況が理解できるようになった。
 コーチより組織の変化には時間がかかる。2度の変化の為にやっていくことが大切だと言われたが、本当にその通りだと思った
定例会の話題がない時でも、皆で集まるってやっぱり大事なことなのだなと改めて感じた

 

 

 

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