健康経営における女性の健康【3】:5分でわかる!企業が知っておくべき女性の健康課題

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女性の健康と一口に言っても、そこには様々な課題があり、アプローチがあります。

とはいっても、女性の健康課題について1から勉強をする時間がない担当者が殆どでしょう。今回の記事では、女性の健康課題についてどのようなものがあるのか簡単にまとめていきたいと思います。

プレゼンティズム、アブセンティズム、エンゲージメント、女性の健康は課題のデパート!?

 

生産性は半分近くにまで低下。プレゼンティズムの大敵、PMS・月経・更年期

◆ 企業内で月経・PMS・更年期に課題を持つ女性=約50%

PMS(月経前症候群)や月経に関する症状、更年期に関して、心身の変化による仕事のパフォ
ーマンスの変化を比較したところ、元気な状態の仕事を 10 点とした場合、半分以下になると回
答した人が約半数いることが、わかっています。(日本医療政策機構 働く女性の健康増進調査2018を抜粋・加工)

産婦人科の領域ではPMS・月経・更年期は「本人が生活に支障が出ていると感じたタイミングが治療開始にふさわい」と言われています。仕事のパフォーマンスが半分にまで落ちている状態は「治療をするべき状態」といっても過言ではないでしょう。

これまで生理や更年期は女性特有の問題という事であまり公は語られてきませんでした。また、多くの女性はこれらの症状は我慢するべき自然現象と捉えていますが、医療の視点から見ると「病気」であり、プレゼンティズムの視点から見ても取り組むべき大きな課題であることが分かります。

 

アブセンティズムから退職へ、不妊治療の悲しい結末

◆ 企業内で不妊治療に課題を持つ女性=7%

今や5組に1組のカップルが悩まされている不妊。その原因は、加齢・婦人科系疾患・原因不明・男性不妊など様々な要因が複雑に絡み合っていて、原因を簡単に特定・分析することが出来ません。

しかし確実に言えるのは、医学的治療は全て、女性の体に負担がかかるという事。

不妊治療にはいくつかの治療のステップがありますが、大まかに説明すると下記の様なプロセスをたどり、アブセンティズムに大きな影響を及ぼします。

頻繁な通院が与える仕事への影響、高額な治療費、薬剤使用による体への負担・不調など、不妊治療は女性に大きな負担がかかる為、仕事と不妊治療の両立は深刻な問題となっています。

加えてその特性上、約6割の人が治療の事実を上司に伝えておらずまた、2割以上の人が退職または雇用形態の変更をしており、アブセンティズムが抱える退職リスクの大きさを物語っています。

 

一般社団法人リプロキャリア 代表理事/キャリアコンサルタント 平陽子

人生の充実の為には「キャリアと女性の健康の両立」や「ライフプランと女性の健康の両立」が必要不可欠だという信念から、リプロキャリアを創業。多くの産婦人科医師とのネットワークと自身のキャリアコンサルタントとしての知見をもとに、女性の健康とライフプラン・キャリアプランの両立を目指した研修・セミナーを行っています。

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